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労働者派遣事業許可申請

労働者派遣事業とは

労働者派遣事業とは、派遣元事業主が自己の雇用する労働者を、派遣先の指揮命令を受けて、この派遣先のために労働に従事させることを業として行うことをいいます。

​労働者派遣事業を行うためには、厚生労働大臣の許可を受ける必要があります。許可を受けるためには、財産的要件や人的要件のほか、定款、就業規則の内容、社内規程、営業所のレイアウトなど細かくチェックされます。

​許可を取得するための要件

​派遣業許可を取得するためには、法定された要件を一つ一つクリアする必要があります。社労士としては、円滑に許可を取得するため、受任の可否を判断する段階で、各種要件について確認しています。

  1. ​定款
    事業目的に「労働者派遣事業」が記載されているか

  2. 派遣元責任者
    派遣元責任者講習を受講しているか

  3. 就業規則
    派遣労働者に関する記載があるか
    派遣先との契約が切れたことを理由に解雇しないことを規定しているか
    派遣労働者を休業させた場合、休業手当を支払うことが規定されているか

  4. 財産的基礎
    財産的基礎とは基準資産額(資産(繰延資産および営業権を除く)-負債)が下記の要件を満たすことを言います。

    ・基準資産額≧2,000万円×事業所数

    ・基準資産額≧負債×1/7
    ​・自己名義の現金・預金の額≧1,500万円×事業所数

当事務所は、少なくとも上記項目について事前相談の段階で必ず確認します。中でも4番の財産的基礎は、必ず確認します。1~3については、時間をかければクリアすることが可能ですが、財産的基礎を満たしていない場合、増資等により財務体質を改善するか、次年度以降の営業利益を積み上げていってもらうしか手はありません。こればかりは社労士の力ではどうしようもありません。確認は直近の決算書類のうち貸借対照表の数値で行います。

​許可申請に必要な書類

  1. 労働者派遣事業許可申請書

  2. 労働者派遣事業計画書

  3. キャリア形成支援制度に関する計画書

  4. 自己チェックシート

  5. ​定款

  6. 法人の登記事項証明書(履歴事項証明書)

  7. 役員(監査役含む)および派遣元責任者の住民票

  8. 役員(監査役含む)および派遣元責任者の履歴書

  9. 派遣元責任者講習受講証明書

  10. 法人税の確定申告書(別表1および別表4)

  11. 納税証明書 「その2」(法人税の所得金額の証明書)

  12. 貸借対照表・損益計算書・株主(社員)資本等変動計算書

  13. 事業所の使用権を証する書類

  14. 個人情報適正管理規程

  15. 派遣労働者のキャリア形成を念頭においた派遣先の提供のための事務手引、マニュアル等

  16. 就業規則または労働契約書の写し

  17. 企業パンフレット等事業内容が確認できるもの

派遣元責任者

派遣元責任者とは、労働者派遣法36条に規定されています。派遣先との連絡調整のほか、派遣社員への助言、指導、教育訓練を行ったりすることを職務としています。
派遣元責任者になるためには、いくつかの要件があります。まずは派遣元責任者講習を受講して3年以内であること。相談の段階で未受講の場合は、すぐに受けていただくことをお勧めしています。
また3年以上の雇用管理の経験を持っていることも必要です。雇用管理の経験とは、人事又は労務の担当者であったことや、事業主・役員、支店長、工場長等の経験を言います。これは派遣元責任者の履歴書の記載内容で判断することになります。派遣元責任者を選定する場合には、選定した者について3年以上の雇用管理の経験があることを確認する必要があります。

事業所の使用権を証する書類

​派遣業を行うための事業所について、使用権限があることを証明する必要があります。自己所有の場合は建物の登記事項証明書、賃貸の場合は賃貸借契約書のコピーを提出します。賃貸借契約書には「事務所」として使用することが明記されていればいいのですが、当事務所の経験上、使用目的が「測量業」や「製造業」などのように限定されているような場合、貸主から派遣業の営業所として使用することに関する承諾書をもらうように指示がくることもあります。

また事業所のレイアウト図も添付します。簡単なレイアウトで構いませんが、少なくとも派遣元責任者と職務代行者の席、個人情報を保管する鍵付き書庫の位置を記載しておく必要があります。提出先の労働局によっては、面接・教育訓練の実施場所や事業所名表示場所まで記載しておくことを求められます。

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​申請から許可取得までの手順

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1.相談
 相談の段階で、許可要件を満たしているか確認します。派遣元責任者講習を受講しているか?定款の事業目的に「労働者派遣事業」と記載されているか-など、確認事項は多岐にわたります。不足している要件があれば、どうすれば要件を満たすのか、そのためには何が必要なのかをアドバイスいたします。

2.書類作成・収集
 労働者派遣事業の許可申請に必要な書類作成を行います。前提として就業規則の改定等が必要になる場合もあります。
​ 履歴事項全部証明書、納税証明書その2、役員及び派遣元責任者の住民票等、申請に必要な書類の収集も同時並行して進めていきます。定款、法人の確定申告書、営業所の賃貸借契約書、財務諸表など、依頼者に提供いただかないといけない書類も多数あります。

3.事前相談を経て、申請へGO!
​ 通常、いきなり申請書を持って受け付けてください!ということはいたしません。ある程度書類が仕上がった段階で、労働局に連絡を入れ、事前相談することが必要になります。労働局の担当者からいくつかの指摘を受けた場合は、申請前に全て修正した上で、書類を提出します。兵庫労働局の場合、許可を受けようとする月の3か月前の末日までに申請書を提出する必要があるため、余裕を持ったスケジュールで申請の準備を進める必要があります。
 許可日は毎月1日になります。

​手数料及び登録免許税

​申請にかかる手数料は12万円になります。労働者派遣事業を行う事業所の数が2カ所以上の場合、1カ所につき5万5千円を追加します。また登録免許税として9万円を納付する必要があります。

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